beolove blog(B&O etc)

90年代のBang&Olufsenのオーディオシステム。出張用にポータブルスピーカーを愛用しています。音楽、インテリアなど趣味のものなどいろいろ。

“ALL STAR VIDEO with Ryuichi Sakamoto by Nam June Paik(1984/LaserDisc/32min)

 

“ALL STAR VIDEO with Ryuichi Sakamoto by Nam June Paik(1984/LaserDisc/32min)

レーザーディスクの試運転をした時に30年数年振りに観たビデオアート作品。

韓国で生まれ、香港、日本で育ち、ドイツ、アメリカで活躍。世界で初めてTVモニターを使ったインスタレーション作品を発表した現代美術家・ビデオアートの開拓者ナム・ジュン・パイク(Nam June Paik)と坂本龍一のコラボレーションとして発売されたビデオアート作品。パイクの作品をはじめ、シャーロット・モーマン、アレン・ギンズバーグジョン・ケージヨーゼフ・ボイスマース・カニングハムローリー・アンダーソンリヴィング・シアターをキャストに、それぞれのパフォーマンス映像や彼等へのインタビューをダイジェストに編集されたバラエティショーのような作品。

坂本龍一は”REPLICA”,”A TRIBUTE TO N.J.P.”、PARADISE LOST”と音楽図鑑の収録曲、他にAfrica Bambaataa&Amad Henderson,The Golden Palominosの楽曲・映像が使われている。ジャケットのアートワークは赤瀬川原平によるもの。

1980時代のパッションを久しぶりに感じ、いろいろなことを思い出したし、いま見ると、刺激的で新鮮に感じた。www.youtube.com

この作品のあと、パイクと坂本龍一は赤坂アークヒルズ開業記念に開催・テレビ朝日で放映された”BYE BYE KIPLIG”(1986)、ソウルオリンピック開幕1 週間前に開催・放映された”Wrap Around The Word”(1988)と、“ALL STAR VIDEO ”同様、様々なアーティスト、音楽家をゲストに、ゲスト達が各国で参加。衛星中継を使って世界同時多元でパフォーマンス、インタビューを繰り広げ、中継先の各国の放送局でテレビ番組として放映された。サテライトアート、パイク”Link Up”と言っていたが、メディアアート作品をテレビ放送という形でTVジャックする試みを行った。当時、アークヒルズの”BYE BYE KIPLIG”の放送をライブで見たし、βのビデオデッキで録画し。”Wrap Around The Word”も録画して大切にストックしている。

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www.youtube.comボクは生まれ育ちが福岡。80年代は家庭用ビデオデッキがステレオ化、AVアンプも発売されるなどオーディオビジュアル化が進み、伴って実験映像作品や、黎明期のコンピュータグラフィック作品が誕生。音楽もプロモーションビデオが次々に制作され、MTVなどの音楽専門チャンネルがスタート。ビデオ・エフェクター””Fairlight CVI”が誕生。ゴドレイ&クレイムを筆頭に、ユニークな映像作品が次々に生み出しされ、ボク自身、仕事で若手映像家と組んだ仕事をするようになっていた。

そういう中、キャナルシティ博多というショッピングモールに、”Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix”と(1996)いう名の180台のテレビモニターを使ったビデオインスタレーション作品がアトリウムに常設展示されることになった。パイク作品としては日本国内での最大の作品。開業当時に観に行き、食い入るように長時間鑑賞した。

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だが2001年頃にビデオコントローラーが故障。ブラウン管モニターの故障、消灯が多発する等で一時期は画面が消灯状態。2021年に復原工事をし、現在作品は鑑賞することが出来るとのこと。作品設置から2021年の修繕までの経緯は下記の美術手帖の記事に紹介されてますので、興味ある方はどうぞ(^_^)

 

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