beovision avant55ngでレーザーディスクを再生してみて
B&Oのモニターディスプレイ"beovision avant55ng”を導入後、約1ヶ月程度で慌ただしく引越したこともあり、レーザーディスクを再生していないことに気づいた。動作確認を含め、このLDを再生してみました。
beovision avantに赤白黄色のコンポジット端子はあるはずもなく、LD、ビデオ系のコンポジット出力機器は、2010年製のBlu-rayレコーダーSONY BDZ-RX105のコンポジットの外部入力経由でHDMI端子からbeovision avantに繋ぎ、視聴出来るようにしています。
LDプレーヤーはパイオニアCLD-R5。LDは2009年1月生産終了。その半年後に再販された2機種のうちの廉価版。LD最後の製品のひとつ。ディスクを入れ動作確認したら無事正常再生出来ました。
それにしてもbeovision avantがアナログ信号の映像をこんなに綺麗に映し出すとは!以前使っていた国産テレビは画像が荒く、この手のアナログ映像の再生用に、ブラウン管TVを本気で買おうかと真剣に考えたこともあるが、beovision avantにはそういう不満がない。これは意外な発見!手持ちのLDを再生してみたくなりました(^_^)
とレーザーディスクについて書き記しましたが、そもそも「レーザーディスク(LD)ってなに??」という方も多いでしょう。
レーザーディスクは1970年代前半にフィリップスとMCAが開発。1981年に“絵の出るレコード”というキャッチフレーズで登場。2009年に終焉。片面約60分、両面で約120分の”アナログビデオ方式(SD)の映像”が収録出来る音と映像記録の光学ディスクです。画像解像度〜1インチあたりのドット数(ピクセル)の量は、
○SD(アナログ)640×480p:約31万画素
○2K(地デジなど) 1920×1080p:約207万画
○4K 3840×216p:約829万画素
○8K 7680×4320p:約3300万画素
・・・と、画素数が大きくなるにつれ、映像の精細さは増す。レーザーディスクのSD画質の場合は、地デジなどの2Kの約1/7。4Kの1/27の解像度と、映像の精細さのレベルは低いものです。
しかし音声については41年前からCDと同じ16bit/44.1KHzと現代でも通用するレベル。CDは1975年にソニー、1977年にフィリップスが開発を開始。1982年発売。一般普及はレコードの販売枚数を追い抜いた1986年前後と、LDの5年ですから、実はLDの方が早く、当時からLDは高音質な音声が売りのメディアだったのです! (・・・前置きが長い)
beovision avantは1995年から愛用するbeolab Pentaを繋ぎ、avantの内蔵SPと組み合わせリアなし、フロントのみの5.1chで視聴。いくらavantの内蔵SPのフロントL/R、センターの3chが音がいいとはいえ、所詮TVのSP。本領発揮させるには、しっかり鳴らせるスピーカーを組み合わせてこそです。
実は今回一番驚かされたのは、beovision avantに映し出されたレーザーディスクのSD画質の映像。以前の国産2Kテレビとは雲泥の差。画面が液晶だからなのか、ノイズだらけで画像が荒く、「やっぱりSD画質ってこんな画質悪かったんだ」と感じ、SDの資産を残すなら、放送局で使われていた小型のスペクト比4:3の良質な業務用のブラウン管モニターを買おうかと真剣に考えたこともありました。(スペースの関係で断念)
しかしbeovision avantに映し出された映像は、上記のような不満はなく、LDならではの高音質なライブ映像に没頭。面白くなって数枚立て続けに鑑賞しました。
beovision avantは液晶は韓国のLG製。B&Oは2016年にテレビ製造に関し、OLED技術、WebOS面でLGと戦略的技術パートナーシップを結んでおり、「beovisionの開発面でデザイン、音響、スマートホーム統合の部分での独自技術に焦点を当てる」とプレスリリースしている。avantはその初期の製品だと思うが、LG製の大型テレビと比較するとbeovisionの方が圧倒的に色味は深く、落ち着いた画像。恐らくLG側にOLEDと映像回路についってスペシャルオーダーしているか、何らか独自技術を加えている、などのチューニングは施されているだろうと推察している。(でなければ価格差の開きが説明がつかない)
では何故、SD画質でも、結構綺麗に観れるのか・・・恐らくOLEDパネル、映像エンジン、画像処理の面で優れているからだと推察していますが、理由は正確に把握出来ていません。
映し出された動画はInstagramにpostしましたので、下記リンクよりご覧ください。
レーザーディスクはレコード盤と同じ12インチサイズ。レコード同様のジャケットサイズ。そういうメディアを捨てるのも忍びないので、プレーヤーともに保有している。
ボクの年代は音楽はレコード、CD、DAT、MD。そしてオープンリール、カセット。映像はβ、VHS、8mm、mini DVのテープ、LD、VHD、DVD、Blu-rayのディスク・・・音と映像はHDDとメディア変遷に翻弄されっぱなしの世代。
いまはネット経由の音楽配信。しかも理論上はアナログを超える高音質!若い世代はメディアの概念はない方が大半。かと思えば一部の若い世代でカセットが流行し、専門店もある。CDはハード面でオワコン状態。光学機器ゆえに小さなオーディオメーカーではCDプレーヤーの生産は技術的に不可能。逆に90年代中期頃にオワコンと呼ばれたレコード関連は近年活況、アナログ機器の修理や生産は、昔から生き残ってきた小さなオーディオメーカーでレコードプレーヤーのノウハウがあれば再生産も難しくない。レコード針も製造するメーカーも生き残っている。従ってCD環境は間もなく終焉。レコード環境は生き残る。しかし面白いもので、サウンド面でCDは固有の音がするし、それはカセットもレコードも同様。
理論上はハイレゾ配信の方が高音質・・・なのだが、それぞれのメディア特性の違いに対して付加価値を見出してしまう。人間っていい加減だなぁと思うが、ある意味、人間らしいと感じます。